まぁ、何んだなぁ
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高さ、10pほどの手のひらに乗せられる<爺さん、婆さん>です。
「爺さん、いつもありがたい日を送らせておりますなぁ」
「まぁ、何だなぁ。これは皆さんのおかげじゃ。わしらの努力もあったけど、皆さんに伝わる
ことが大切じゃ。それには自分を一段上の位置において喋ってはいけない。
聞いて下さる方たちがおるから喋れるのだ。愚痴もそうじや」
「○○寺の住職さん、このごろ何か浮かぬ顔してはりまんなぁ。
若い坊さんを三人雇うてはったけど、このごろ住職さんだけでっせ。
そやけど○○寺の奥さんは相変わらずいつもニコニコしてはりまんなぁ」
「まぁ、何だなぁ。○○寺の住職は檀家の数を自慢して、むやみに仏教言葉を並びたて、
上から目線のもの言いだけど、言葉使いはその人そのものじゃて。
そこへもってきて、これだけ檀家離れが進むと若い坊さんも雇うてられんわな。
それに引き換え○○寺は小さな寺やけど、住職夫婦が少ない檀家さんを大事にして
となり近所の人たちの悩みごとにも親身になって答えてくれてはるなぁ。
何でも顔に出るんじゃ」
「お寺も、これから大変でんなぁ」
「まぁ、何だなぁ。庶民は寺が無くても困らんけど、寺は檀家がおらんと食っていけんわな。
檀家のおかげで暮らさせていただいておるということを分かるまで勉強することじゃなぁ。
それが分かったとき、坊主の悟りではなく、人としての悟りに入れるのじゃ。
坊主の狭い価値観で庶民に接したら、庶民に笑われるだけじゃ。相手にしてくれん」
「コロナでお医者さんも大変でんなぁ。お医者さんが足れへんし」
「まぁ、何だなぁ。パソコンにこんなコメントが出とったなぁ。
医療逼迫をアピールしておきながら、日当10万円といって募集かけると医師が集まる。
ワクチン打つのは歯科医でもいいじゃないかと言うと、看護師協会が協力し始める。
一体、日本では何が起きているのか。すべては利権がらみのお金かのぅ」
「何か、わびしいでんなぁ」
「まぁ、何だなぁ。すべては心の成せるわざ(業)じゃ。お寺・坊さんはいたわりの心を説いて
いかなといけないのに、葬式だけじゃ。わびしいなぁ。葬式のとき仏法を説いてもなぁ。
普段から説かないとなぁ。それも、仏教用語なんてどうでもいいから自分のことばでな。
それが出来ないなら、坊さんの悟りてなんじゃ?」
「三人の子供のうち、女の子がいて良かったわぁ」
「まぁ、何だなぁ。父親としてもそう思う。わしの考えやけど、男三人やったら頼もしさは
あるけど、華々しさがないわなぁ。
男兄弟のあいだに娘がいると、何かとクッションになってくれているわなぁ」
「さっきから、爺さん何かぶつぶつ言ってはりまんなぁ」
「まぁ、何だなぁ。仏さまの教えは人生の目的を果たすための手段じゃ。
人生の目的とは「人として正しく生きる」ことじや。それには自分を律することじゃ。
すなわち、自らに打ち克ち、それをやり終えると心の安らぎを得られ、ひと休み。
そしてまた、目的に向かって努力する。そのつど自信が培われるのじゃ。
言い換えれば仏さまの教えは哲学じゃ。努力もしないで、神さま仏さまを頼るものではない。
「何やわかりまへんけど、人をだましたり悪いことせなんだら神さま仏さまは守って
くれはりまんねん。それを信じなはれと言うことでんな」「そうじゃ」
「そう言えば、あんたも私も殆どテレビは見ないなぁ」
「そうでんなぁ。バラエティー番組と言うんですかなぁ、何かギャーギャーやかましいだけ。
それよりも、花に水をやったり本を読んだり音楽を聴いているのが一日の楽しみですねん」
「報道番組も、よう似たもんや。同じメンバーが「あぁでもない、こうでもない」と
無責任なコメント。船頭多くして船山に上るの言葉どおりで終わる。
おまけに画面の四角に出演者がチョロチョロと映し出される。本当につまらん。
そんな番組を見るのなら、ネットで情報を得る方がなんぼかましじゃ。
時々、ストレッチしながらのユーチューブも楽しいわなぁ。落語・漫才・カラオケ・
クラシック・ラテン・タンゴ・町中食堂。車窓からの景色。などなど楽しいのぉう」
「爺さんは私が家庭欄を見たいので新聞を取ってくれてはりまんなぁ」
「新聞も偏った記事が多いけど、朝刊の朝の詩と晴ればれエッセイは欠かさず読んでいる。
子供から年寄りまでのホッコリする文章を見ると心が癒される。
坊さんも見習わなくてはいけない。狭い教義だけしか話せんではただの狭義垂れ。
そんなことでは庶民に見放されるだけじゃ。自分の言葉で活きた話をせんとなぁ」
「爺さん、このごろ新聞に葬式屋さんのチラシが毎週入ってまんなぁ。競争でっかなぁ?」
「まぁ、何だなぁ。いわゆる団塊の世代が終わるまでは葬儀会社、坊さんも生活に困らんと
読んでいたけど、お金を使わんようになってきた。これは正しいことじゃ。そこへもってきて
ネットとやらで、葬式と仏教はほとんど関係ないということが知られてきたから、
葬儀会社もあの手この手のプランを考え出して宣伝しとるんじぁ。
それについていけないのが坊さんじゃ。
そのうちに坊さんを呼ばない葬式が当たり前になるじゃろうなぁ」
爺さん、婆さんの何ともない会話です・・・続けていきます。
次回は何でもメモです。
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